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日差しは容赦ない。怒りに満ちた光線は、たちどころに辺りを興奮させ、干からびせる。そんな中、家族連れは、緑の絨毯に戯れている。彼らは、それを優しく包み込み、悪魔から守り、誰一人、餌食にはならない。
しかし、それは彼らにとっては、壮大なオペラの序章に過ぎない。しんと静まり返り、大地の鼓動さえ、それを妨げようとしないとき、緑の天使が、本領を発揮する。冷気は、全身を柔らかく覆う。そう、彼らの呼吸は、一気に季節を逆転させたかのような感覚に陥いらせる。

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匡憲さん

大事な人